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実家を売ったときの税金|3000万円控除で0円になる条件

実家を売ったときの税金|3000万円控除で0円になる条件

実家の売却でかかる税金は、売った金額ではなく、もうけの部分にだけかかります。

相続した実家は長期譲渡になりやすく税率は20.315%。空き家の3000万円特別控除が当たれば税額は0円です。要件は建物の建築年と相続後の使い方に付いていて、期限は相続から3年を経過する日の属する年の12月31日です。

この記事の目次
  1. 税金がかかるのは売った金額ではなく、もうけの部分だけ
  2. 税率は二段。相続した実家はほぼ長期の20.315%
  3. 3000万円控除が0円をつくる条件は、建物の側に付いている
  4. 控除が消える三つの落ち方
  5. 期限は二本ある。3年の12月31日と、令和9年12月31日
  6. マイホーム控除と取得費加算。使えるものを同時に並べて選ぶ
  7. 税金以外に出ていく費用。手数料と印紙税と登記
  8. 取得費が分からないときの5%と、その前に探す場所
  9. 売る前に決める順番。税を確認してから解体と売り方を決める
  10. 3年で売れなかった場合に何が残るか

税金がかかるのは売った金額ではなく、もうけの部分だけ

土地と建物の譲渡所得は分離課税で、課税されるのは次の式の金額です(出典:国税庁 No.3202・2026年7月30日確認)。

譲渡所得 = 売った金額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除

取得費は購入代金や購入手数料など。相続人が払った登記費用や不動産取得税も入ります(出典:国税庁 No.3270・2026年7月30日確認)。登録免許税、印紙税、測量費、造成費用も取得費です。建物は購入代金や建築代金から所有期間中の減価償却費相当額を引いた額です(出典:国税庁 No.3252・2026年7月30日確認)。

譲渡費用は売るために直接かかった費用です。仲介手数料、売主が負担した印紙税、土地を売るために上の建物を取り壊した費用とその損失額。修繕費、固定資産税、維持管理費、代金取立ての費用は入りません(出典:国税庁 No.3255・2026年7月30日確認)。

税率は二段。相続した実家はほぼ長期の20.315%

区分所有期間(譲渡した年の1月1日現在)所得税住民税合計
長期譲渡所得5年超15%5%20.315%
短期譲渡所得5年以下30%9%39.63%

端数は復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)が乗るためです(出典:国税庁 No.3208No.3211・いずれも2026年7月30日確認)。

相続や贈与で取得したものは、原則として被相続人や贈与者が取得した日から所有期間を数えます(国税庁 No.3202・No.3270)。短期の39.63%を心配する場面は実家の売却ではあまり起きません。

3000万円控除が0円をつくる条件は、建物の側に付いている

税額を0円にする主役が、空き家の3000万円特別控除です。相続または遺贈で取得した被相続人居住用家屋やその敷地等を売り、要件に当てはまれば譲渡所得から最高3000万円を引けます(出典:国税庁 No.3306・2026年7月30日確認)。

#要件(国税庁 No.3306)
1家屋が昭和56年5月31日以前に建築されたこと
2区分所有建物登記がされている建物でないこと
3相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと
4相続の時から譲渡の時まで、事業の用、貸付けの用または居住の用に供されていたことがないこと
5売却代金が1億円以下であること
6譲渡の時において一定の耐震基準を満たすこと、または家屋の全部を取り壊して敷地等を売ること
7平成28年4月1日から令和9年12月31日までの間の譲渡で、かつ相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること

1と2は登記事項証明書、3と4は住民票や賃貸契約の有無で確認します。必要書類は空き家の3000万円特別控除|使える条件と必要書類に分けています。

2024年からは、売った後の耐震改修や取り壊しでも間に合う

令和5年度税制改正で、譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに耐震基準を満たした場合、または家屋の全部を取り壊した場合も対象に入りました(国税庁 No.3306)。令和6年1月1日以降は、買主が解体すると特約で定めていなくても確認書を発行できます(出典:国土交通省・2026年7月30日確認)。先に解体費を出したのに買い手が付かない、という順番を避けられます。

相続人が3人以上なら控除額は2000万円

令和6年1月1日以後の譲渡で、取得した相続人が3人以上なら控除額は2000万円までです(国税庁 No.3306)。被相続人が要介護認定等を受けて老人ホーム等に入所していた場合も、要件を満たせば対象です(同)。

控除が消える三つの落ち方

1. 相続してから貸した、住んだ、事業に使った

要件表の4番です(国税庁 No.3306)。家賃を取った期間や、相続人の誰かが住んだ期間があると外れます。売れないあいだの駐車場貸しも貸付けです。

2. 取得費加算とはどちらかを選ぶ形になる

同じ家屋や敷地等について、取得費加算や収用等の特別控除など他の特例を受けていないことが条件です(国税庁 No.3306)。

3. 確定申告をしないと適用されない

適用には一定の書類を添えた確定申告が必要です(国税庁 No.3306)。税額が0円でも申告は要ります。

期限は二本ある。3年の12月31日と、令和9年12月31日

先に来るほうで切れます。

期限何の期限か根拠
相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日空き家の3000万円控除を使う売却国税庁 No.3306
令和9年(2027年)12月31日空き家の3000万円控除そのものの適用期間の終わり国税庁 No.3306・国土交通省
相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日取得費加算を使う売却国税庁 No.3267
売った年の翌年2月16日から3月15日譲渡所得の確定申告国税庁 No.2020

確認書の交付に数週間かかる

確定申告には、市区町村長が交付する被相続人居住用家屋等確認書が必要です(国税庁 No.3306)。発行は税務署ではなく市区町村で、担当は建築や住宅、空き家対策の部署。八王子市は、書類が揃ってから2〜3週間程度が目安、確定申告時期は1か月以上かかる場合あり、申請は相続人ごと、確認書は特例措置を確約した書類ではない、と案内しています(出典:八王子市・2026年7月30日確認)。

3年目の12月に契約を入れる計画は薄氷です。引き渡し、確認書の申請、翌年の申告が年末年始に重なります。動き出すのは2年目のうちです。

マイホーム控除と取得費加算。使えるものを同時に並べて選ぶ

特例使える人効果売却の期限
マイホームを売ったときの特例自分が住んでいた家屋を売る人譲渡所得から最高3000万円を控除住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日
空き家の3000万円特別控除被相続人居住用家屋を相続した相続人最高3000万円を控除(相続人3人以上は2000万円)相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例相続税を課税された人相続税額のうち一定金額を取得費に加算相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日

マイホームの特例で家屋を取り壊して敷地だけを売る場合は、譲渡契約が取り壊した日から1年以内であることも条件。前年・前々年にこの特例等を受けていないこと、入居年とその前年・前々年に受けると住宅ローン控除が使えないことにも注意します(出典:国税庁 No.3302・2026年7月30日確認)。実家を売って新居を買う順番だと、ここがぶつかります。

取得費加算は相続税が課税されていることが前提で、加算されるのは相続税額のうち譲渡した財産に対応する部分です(出典:国税庁 No.3267・2026年7月30日確認)。中身は相続した土地を売る税金|取得費加算と3年10か月の期限に分けています。

小規模宅地等の特例(居住用宅地を330平方メートルまで80%減額)は相続税側の制度です(出典:国税庁 No.4124・2026年7月30日確認)。

相続税がかかるかどうか分からない段階でも、先に聞いておく

取得費加算を使えるかは、相続税を払ったかどうかで決まります。かかるかどうかの判定自体に不動産の評価が必要なので、相談だけの利用でも税理士に投げたほうが早い。

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税金以外に出ていく費用。手数料と印紙税と登記

仲介手数料は、安い実家ほど率で見ない

媒介報酬の上限は国の告示で決まっていますが、2024年(令和6年)7月1日施行の見直しで、物件価格800万円以下の低廉な空家等は原則の上限を超えて受領できます。上限は30万円の1.1倍。媒介契約の締結時に報酬額を説明し合意することが要ります(出典:高知県・2026年7月30日確認)。安い実家ほど率で計算した額より高くなるので、媒介契約書は金額で確認してください。

印紙税は契約金額の段で決まる

契約書に記載された契約金額印紙税額(軽減後)
500万円超1000万円以下5千円
1000万円超5000万円以下1万円
5000万円超1億円以下3万円

印紙税は平成26年4月1日から令和9年3月31日までの作成分に軽減措置があります(出典:国税庁 No.7108・2026年7月30日確認)。

登記と解体

売る前に相続登記が必要です。登録免許税は価額の1000分の4(出典:国税庁 No.7191・2026年7月30日確認)。解体費は、土地を売るために建物を取り壊した費用と損失額なら譲渡費用に入ります(国税庁 No.3255)。現況と更地の比べ方は実家を売る手順と相場の調べ方|更地と現状の比較に分けています。

解体を先にすると住宅用地の軽減が外れます。1戸につき200平方メートルまでは固定資産税の課税標準が価格の6分の1、都市計画税が3分の1、超える部分はそれぞれ3分の1と3分の2です(出典:東京都主税局・2026年7月30日確認)。更地にしてから売れるまでが伸びるほど、軽減の外れた固定資産税を払う年が増えます。

取得費が分からないときの5%と、その前に探す場所

税額が跳ねる原因は、税率でも控除でもなく取得費が分からないことです。不明か、実際の取得費が譲渡価額の5%より少ないときは、5%相当額を取得費にできます(出典:国税庁 No.3258・2026年7月30日確認)。3000万円で売って不明なら取得費は150万円、残りがほぼ全部もうけの扱いです。3000万円控除が当たればこの差は消え、当たらなければそのまま税額の差になります。

  • 売買契約書、領収証、重要事項説明書
  • 建築請負契約書と工事の領収証(親が建てた家の場合)
  • 住宅ローンの契約書と償還予定表、通帳の振込記録
  • 登記事項証明書に残る抵当権の設定額(借入額から購入価格の見当が付く場合がある)

相続登記の領収証も取得費に入るので取っておいてください(国税庁 No.3270)。

売る前に決める順番。税を確認してから解体と売り方を決める

戻せないのは、税の確認と解体の順番です。

  1. 名義と相続人を確認する。相続登記が済んでいなければ先に済ませる
  2. 登記事項証明書で建物の建築年月日と、区分所有建物登記かどうかを確認する
  3. 相続の開始の直前に誰が住んでいたか、相続後に貸したり住んだりしていないかを整理する
  4. 1から3の材料を持って、税務署か税理士に3000万円控除の要件に当たるかを確認する
  5. 査定を取り、現況で売るか更地で売るか、価格帯を決める
  6. 家屋の所在地の市区町村へ被相続人居住用家屋等確認書を申請する

2を先に置くのは、昭和56年5月31日以前かどうかで結論が変わるからです。家全体の順番は実家じまいとは?進め方と費用の全体像を7ステップで解説にあります。

要件の確認と並行して、売れる値段のほうも見ておく

控除が当たるかどうかと同じくらい、いくらで売れるかで結論は変わります。査定は複数社に出して幅で見るもので、相場を知るだけの利用でも問題ない。

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3年で売れなかった場合に何が残るか

要件を全部満たしていても、買い手が付かなければ控除は使えません。期限が過ぎて残るのは毎年の固定資産税と管理の手間で、税額が増えるわけではありません。

低未利用土地等の100万円控除もあります。譲渡価額500万円以下(市街化区域等では800万円以下)、1月1日時点で所有期間5年超などが要件で、他の特例とは併用できません。国税庁は対象を令和2年7月1日から令和7年(2025年)12月31日までの譲渡と案内しています(出典:国税庁 No.3226・2026年7月30日確認)。延長の有無は最新の案内で確認してください。

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実家じまいナビ編集部

実家じまいナビ編集部 |沖縄に売れない土地を持つ当事者が運営

実家じまいナビ編集部です。運営者自身が沖縄に売れない土地を相続し、出口が見つからないまま維持している当事者です。役所と業者を回って分かった順番、実際にかかる費用、先に知っておけば防げたことを記録しています。法令の解釈が必要な部分は断定せず、調べ方と相談先を示す方針です。

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