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墓じまいの費用は総額いくら?撤去と供養の内訳

墓じまいの費用は総額いくら?撤去と供養の内訳

墓じまいの総額の相場を並べても、自分の家の金額には近づかない。金額を決めているのは実質2つだけだ。

区画の面積と、遺骨の体数。撤去は面積で積み上がり、新しい行き先は1体あたりの単価で積み上がる。事業者公表の総額目安は30〜300万円だが、公営の合葬なら行き先の使用料は1体3万円台から公表されている。

この記事の目次
  1. 総額は「撤去」と「行き先」の二本立てで見る
  2. 実額を積み上げた3つのケース。同じ面積でも3倍違う
  3. 撤去の見積が倍違うのは、面積の差ではない
  4. 寺に払う分に定価はなく、役所に払う分は小さい
  5. 行き先の費用は、公営の公表額で下限が見える
  6. 遺骨の体数が、総額の桁を決める
  7. 戻ってくるお金と、年度で消える制度
  8. 安く抑える順番は、金額の桁が大きいほうから
  9. 総額より先に、払う順番を見る

総額は「撤去」と「行き先」の二本立てで見る

事業者公表の目安では、はせがわが総額30〜300万円、撤去工事だけなら20万円から。石長(きちんと選ぶ)は墓石の解体と撤去を1平方メートルあたり10万円ぐらいからとし、重機が入れない場所には割増があるとしている(出典:はせがわ・お墓じまいの費用平均きちんと選ぶ・墓じまいの費用相場と自治体補助金、いずれも2026年7月30日確認)。公的な統計に相場の数値は存在しない。

項目金額を決めているもの目安
墓石と外柵の撤去、整地区画の面積と、重機が入るかどうか1平方メートルあたり約10〜15万円
閉眼供養のお布施寺の慣行。定価がない約3〜10万円
離檀料寺との関係。法令に定めがない0円〜20万円程度
改葬許可と証明書遺骨の体数(1体につき1枚)数百円〜1,500円程度
遺骨の洗浄と粉骨体数と骨壺の大きさ1体あたり約1〜3万円
新しい行き先形式と体数1体約3万円台から。一般墓を建てれば100万円超

実額を積み上げた3つのケース。同じ面積でも3倍違う

以下は公表実額を使った編集部の試算で、撤去の単価とお布施は事業者公表の目安、行き先の使用料と手数料は各自治体の公表額を当てている。

条件撤去と整地寺に渡す分遺骨の処理行き先合計の試算
A:公営霊園・2平方メートル・遺骨2体・公営の合葬(直接共同埋蔵)約20〜30万円約3〜10万円なし74,000円(37,000円×2体)約30〜48万円
B:寺院墓地・4平方メートル・遺骨6体・洗浄と粉骨を依頼して公営の合葬へ約40〜60万円約3〜30万円(離檀料を含む)約24万円(39,600円×6体)約55万円(91,420円×6体)約122〜169万円
C:都立霊園・4平方メートル・遺骨4体・施設変更制度が使えた年度約40〜60万円約3〜10万円なし0円(使用料と管理料が不要)約43〜70万円

BとCは同じ4平方メートルで撤去の幅も同じだが、合計は3倍近く違う。差は体数と、行き先に制度が使えるかどうかの2点だ。

撤去の見積が倍違うのは、面積の差ではない

同じ2平方メートルでも見積が倍近く違うことがある。単価に上乗せされる項目が4つあり、そこで差がつく。

金額を押し上げる4つの加算

  • 作業の難所。重機が入らない参道、階段の多い山の墓地、隣の区画を通らないと搬出できない立地。人力運搬やクレーンの手配が加算になる
  • 撤去する範囲。墓石だけか、外柵、貼り石、砂利、カロート(納骨室)、基礎、植木、灯籠まで含むか
  • 石材の処分と残土の運搬。工事費と別建てのことがある
  • 返還時の仕上げ。更地の定義は管理者ごとに違う。どこまで戻すのかを先に文書で確認する

石の量が主因だと分かる公的な数字

市川市は市営霊園の一般墓地を返す使用者に原状回復費用の助成を出しており、限度額は第4種普通墓地(2.5平方メートル)が210,000円、第1種(4.0平方メートル)が240,000円、第2種(6.0平方メートル)が290,000円、第3種(12.0平方メートル)が440,000円。芝生墓地は2.5平方メートルでも4.0平方メートルでも75,000円で据え置かれている(出典:市川市・市川市霊園一般墓地返還促進事業、2026年7月30日確認)。

芝生墓地には外柵がなく、石の量が少ない。同じ市営霊園で面積が同じでも3分の1以下の開きがある。

面積と立地を伝えて、単価の幅を先に見る

1社だけの見積では、その金額が高いのか安いのか比べる相手がいません。区画の面積と、重機が入るかどうかを伝えて複数社の金額を並べると、面積あたりの単価と加算の内訳が見えてきます。金額を知るだけの利用でかまいません。

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寺に払う分に定価はなく、役所に払う分は小さい

閉眼供養のお布施と離檀料

閉眼供養で僧侶に渡すお布施は、事業者公表では約3〜10万円。檀家を離れる場合の離檀料は0円から20万円程度という幅で示されることが多い(出典:はせがわ・お墓じまいの費用平均、2026年7月30日確認)。

離檀料は法令に根拠のある費目ではない。墓地、埋葬等に関する法律には、改葬に市町村長の許可が必要であることや焼骨を墓地以外の区域に埋蔵してはならないことが定められているだけだ(出典:墓地、埋葬等に関する法律(e-Gov法令検索)、2026年7月30日確認)。請求額が妥当かどうかの判断は弁護士の領分で、編集部は扱わない(離檀料はいくら払うか)。

役所と証明書の実費

改葬許可の申請は遺骨1体につき1枚が原則で、受入証明書や埋蔵の証明も体数分そろえる(出典:武蔵野市・改葬許可申請、2026年7月30日確認)。効くのは証明書の発行手数料のほうで、東京都の霊園では1通400円、使用許可証の書換(承継)が1,800円、再交付が1,200円(出典:東京都霊園使用料・管理料・手数料一覧表(令和6年4月1日現在)、2026年7月30日確認)。5体あれば証明書だけで数千円になる。窓口と書式は墓じまいの全体の流れにある。

行き先の費用は、公営の公表額で下限が見える

民間の行き先は幅が広く、事業者公表では永代供養墓が5〜150万円、樹木葬が20〜80万円、納骨堂が10〜150万円。

公営霊園は使用料を条例で決めて公表している。東京都の合葬埋蔵施設の1体用使用料は、多磨霊園の直接共同埋蔵で37,000円、八柱霊園で47,000円、小平霊園2号基で53,000円。一定期間後に共同埋蔵する区分は上がって、多磨が60,000円、小平1号基が61,000円、小平2号基が81,000円、八柱が117,000円。樹木型合葬埋蔵施設は1体187,000円(出典:東京都霊園使用料・管理料・手数料一覧表(令和6年4月1日現在)、2026年7月30日確認)。

一定期間後共同埋蔵は20年間個別に保管してから共同埋蔵する区分、直接共同埋蔵は納骨時に速やかに共同埋蔵する(出典:東京都・令和7年度都立霊園の使用者を募集、2026年7月30日確認)。

使用料の横に管理料が乗る

公営でも管理料が別に必要になる。横浜市営メモリアルグリーンの合葬式慰霊碑型は使用料が1体60,000円(30年)で管理料が1体31,420円(30年分)。合葬式樹木型は使用料140,000円と管理料62,850円。芝生型は使用料450,000円(30年)または900,000円(永年)で管理料が年8,370円(出典:横浜市・メモリアルグリーンのご案内、ページ更新日2025年6月30日、2026年7月30日確認)。

慰霊碑型は合わせて1体9万円台、樹木型は20万円台。合葬式は安い選択肢としてまとめられがちだが、実額は形式で違う(永代供養の費用相場と合祀か個別かの選び方)。抽選になる区画もあるので、金額と同時に募集の有無を確認する。

遺骨の体数が、総額の桁を決める

  • 八柱霊園の合葬埋蔵施設(一定期間後共同埋蔵)は1体117,000円。4体なら468,000円
  • 洗浄や粉骨も骨壺ごとの料金になる

先祖代々の墓だと6体や8体が納まっていることがある。1体3万円台という数字だけで進めると、行き先の合計が撤去費を超える。1体か2体で公営の合葬を選べれば10万円台で収まる。

体数を確定させてから申し込む

行き先の申し込みも改葬許可も体数で出す。開けてみたら数が違ったという事態は手続きを止めるので、管理者の記録と骨壺の数を契約の前に照合する。市川市には一般墓地の返還を条件に合葬式墓地の使用を特例で許可する仕組みがあり、生前と遺骨をあわせて2体まで、1体用71,000円、2体用142,000円(出典:市川市・市川市霊園一般墓地返還促進事業、2026年7月30日確認)。3体以上ある家はこの枠では収まらない。

戻ってくるお金と、年度で消える制度

市川市の3つの仕組み

  • 原状回復費用の助成。普通墓地で210,000円から440,000円、芝生墓地で75,000円
  • 墓地使用料の返還。使用許可から3年以内に未使用で返した場合は納付した使用料の2分の1、それ以外は4分の1
  • 合葬式墓地の特例許可。返還を条件に、公募以外で生前と遺骨をあわせて2体まで。市外に住んでいても申し込める

同じページには、使用料の還付と原状回復費用の助成は予算額に達したため受付を終了した旨が、令和8年5月22日現在として記載されている(出典:市川市・市川市霊園一般墓地返還促進事業、2026年7月30日確認)。申請は霊園管理事務所の窓口のみ。その年度の枠が閉まっていれば1円も出ないので、年度が替わる4月に問い合わせるのが確率が高い。

東京都の施設変更制度

都立霊園には、承継者がいない使用者を対象に、いま使っている墓所を返して遺骨を合葬式墓地へ改葬する施設変更制度がある。使用料と年間管理料は不要で、更地にする費用は使用者の負担。受入先は小平霊園と八柱霊園で、年度により実施の有無や受付期間が異なり、募集は年3回(出典:公益財団法人東京都公園協会・施設変更制度のご案内都立霊園・よくあるご質問、いずれも2026年7月30日確認)。乗れば残る出費は撤去工事だけになる。探し方は墓じまいに補助金は出るかの調べ方で自治体別に整理している。

安く抑える順番は、金額の桁が大きいほうから

  1. 行き先の形式を決める。一般墓を建てれば事業者公表で80〜250万円、公営の合葬なら1体3万円台から。ここだけで100万円単位の差が出る
  2. 体数の扱いを決める。個別に納めるか、まとめて合祀にするか。1体単価の掛け算なので体数が多い家ほど効く
  3. 撤去の見積を複数並べる。面積単価と加算の内訳を同じ条件で比べる
  4. 助成と返還を確認する。上限は数十万円で、受付が終わっている年度もある。出たら得をする位置に置く

行き先を決めたら、撤去の金額を横に並べる

墓石の撤去と新しい供養先の費用を、地域の石材店から一括で比べられます。行き先の形式と体数が決まってから見積を取ると、条件を揃えた比較になります。

無料で墓じまいの費用を比べる

総額より先に、払う順番を見る

手元の現金が先に出るのは撤去費ではなく、行き先の使用料のほうだ。

  1. 行き先の契約と使用料。改葬許可の申請には受入証明書が必要で、行き先が決まっていないと役所の手続きが始まらない
  2. 改葬許可の申請。証明書の発行手数料が体数分かかる
  3. 閉眼供養のお布施。工事の直前、当日に渡す
  4. 撤去工事の代金。着手金と完工時に分かれることがある
  5. 助成の申請。撤去が終わって明細書と領収書が出てから

助成は工事の実費を確認してから交付するので、撤去費はいったん全額を立て替える。上限を先に差し引いた金額で資金を用意すると、支払いの時点で足りなくなる。

墓じまいをしない場合の管理料は、東京都の一般埋蔵施設で1平方メートルあたり年750円(出典:東京都霊園使用料・管理料・手数料一覧表(令和6年4月1日現在)、2026年7月30日確認)。ただし5年以上滞納すると使用許可の取消対象になり、東京都が墓所を更地にして遺骨は無縁塚に改葬される(出典:都立霊園・よくあるご質問、2026年7月30日確認)。維持のほうが安く見えても、遺骨の行き先を選ぶ権利は手を離れる。手続きの全体像は墓じまいとは何かにある。

相談者相談者
先に工事を済ませて、あとで行き先を探すことはできませんか。
実家じまいナビ編集部実家じまいナビ編集部
取り出した焼骨を墓地以外の区域に埋蔵することは法律で禁じられています。行き先が未定のまま撤去に進むと、遺骨を持ち帰って保管する期間が延びるだけになります。順番としては行き先が先です。

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実家じまいナビ編集部

実家じまいナビ編集部 |沖縄に売れない土地を持つ当事者が運営

実家じまいナビ編集部です。運営者自身が沖縄に売れない土地を相続し、出口が見つからないまま維持している当事者です。役所と業者を回って分かった順番、実際にかかる費用、先に知っておけば防げたことを記録しています。法令の解釈が必要な部分は断定せず、調べ方と相談先を示す方針です。

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