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墓じまいから永代供養へ|費用と手続きの順番

墓じまいから永代供養へ|費用と手続きの順番

先に決めるのは受け入れ先です。改葬の許可は、新しい納骨先が決まっていないと下りません。費用は閉じる側と受け入れる側の2つに分かれ、公営の合葬・樹林墓地なら遺骨1体あたり3万8000円から13万5000円、民間を含めた総額は50万〜150万円が目安です。

この記事の目次
  1. 先に決めるのは受け入れ先。順番を1つ入れ替えると役所で止まる
  2. 墓じまい・永代供養・改葬。3つの言葉が指している場所が違う
  3. 費用の財布は2つある。閉じる側と受け入れる側を分けて足す
  4. 公営の合葬墓は額が条例で決まっている。相場の物差しになる
  5. 合祀すると遺骨は戻せない。契約書のどこを読むか
  6. 改葬許可の申請書に何を書き、何を添えるか
  7. 埋蔵証明を出してもらえないと言われたときの扱い
  8. 公営墓地には、現金給付ではない形の支援がある
  9. 決めずに置いた場合に、実際に起きること
  10. よくある質問

先に決めるのは受け入れ先。順番を1つ入れ替えると役所で止まる

改葬の許可を出す役所が、新しい納骨先の確定を前提にしているからです。

武蔵野市は、受入証明書または使用許可書等が必要なため新しい墓地が決まっていないと改葬手続きができないと案内しています。横浜市の手順も1番目が「新たに埋・収蔵する墓地を決める」です(2026年7月31日確認)。

順番やること止まりやすい点
1親族に話し、今の墓地の管理者に意向を伝える撤去後に反対が出ると戻せない
2受け入れ先を決めて契約し、受入証明書をもらうここが未定だと3以降が全部止まる
3今の墓地の管理者に埋蔵の事実を証明してもらう離檀の話がこじれると出てこない
4今の墓地がある市区町村に改葬許可を申請する遺骨1体につき1枚必要な自治体がある
5閉眼供養と出骨、墓石の撤去と使用権の返還撤去業者が指定されている墓地がある
6改葬許可証を添えて新しい納骨先へ納める許可証がないと納骨させてもらえない

6の理由は法律にあります。墓地の管理者は改葬許可証を受理した後でなければ焼骨を埋蔵させてはならず、納骨堂も同じです(墓地、埋葬等に関する法律第14条)。

全体の地図は墓じまいとは?費用と流れ、遺骨の行き先の決め方、申請書の書き方は改葬許可申請の手順と必要書類にまとめています。

墓じまい・永代供養・改葬。3つの言葉が指している場所が違う

この3語は同じ場面で使われますが、指しているものは別々です。

  • 改葬は法律上の用語です。「埋葬した死体を他の墳墓に移し、又は埋蔵し、若しくは収蔵した焼骨を、他の墳墓又は納骨堂に移すこと」と定義され(墓地、埋葬等に関する法律第2条第3項)、市町村長の許可が必要です(同法第5条第1項)。
  • 墓じまいは法令用語ではありません。墓石を撤去して区画を更地に戻し、使用権を管理者へ返すまでの作業を指す通称です。
  • 永代供養は受け入れ側の管理方式です。承継者の代わりに寺院や霊園が管理と供養を続ける形で、墓じまいの結果として必ず選ぶものではありません。

行き先は永代供養に限らず、手元供養や散骨を選ぶ人もいます。ただし墓地や納骨堂に納めた遺骨を動かす以上、行き先が自宅であっても改葬の手続きが要るのが原則です。福岡市は、火葬後に自宅で保管していた遺骨を墓地や納骨堂に納める場合に限り改葬許可の申請は不要としています(2026年7月31日確認)。

費用の財布は2つある。閉じる側と受け入れる側を分けて足す

閉じる側にかかるもの

項目公開されている目安
墓石の撤去(1㎡あたり)約8〜15万円
閉眼供養のお布施約1〜10万円
離檀料約3〜20万円
出骨の作業(遺骨1体につき)約4〜5万円
遺骨の移送(遺骨1体につき)約2〜3万円
改葬許可申請の手数料無料としている自治体が多い

手数料は横浜市、船橋市、福井市が無料と明記しています(2026年7月31日確認)。ただし埋蔵証明の発行に手数料がかかる場合があります。

金額を動かすのは区画の広さと重機が入るかどうかです。相見積もりでは区画の面積と、車が墓所のそばまで入れるかを最初に伝えてください。

\ 撤去の側だけ先に金額を出す /

受け入れ先を決める前でも、墓石の撤去にいくらかかるかは調べられます。金額を知るだけの利用で問題ありません。

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受け入れる側にかかるもの

形式公開されている目安遺骨の扱い
合祀墓・合葬墓約3〜30万円最初から他の人と一緒に埋蔵
集合型の永代供養墓約20〜60万円一定期間は個別、その後に合祀
個別の永代供養墓約50〜150万円期間の満了まで個別
樹木葬約20〜80万円個別型と合祀型がある
納骨堂約30〜150万円契約期間の定めがある

両方を足した全体では、50万〜150万円という幅を示す事業者が複数あります。形式ごとの選び分けは永代供養の費用相場と、合祀か個別かの選び方で整理しています。

公営の合葬墓は額が条例で決まっている。相場の物差しになる

東京都立霊園の使用料は一覧表で公開されています(令和8年4月1日現在)。

施設区分使用料(遺骨1体あたり)
合葬埋蔵施設多磨 直接38,000円
合葬埋蔵施設多磨 一定61,000円
合葬埋蔵施設八柱 直接53,000円
合葬埋蔵施設八柱 一定131,000円
合葬埋蔵施設小平 1号基64,000円
樹林型合葬埋蔵施設多磨1号基 遺骨/粉状遺骨96,000円/32,000円
樹林型合葬埋蔵施設小平 遺骨/粉状遺骨135,000円/45,000円
樹木型合葬埋蔵施設小平200,000円

いずれも最初に1回払う額で、年間管理料の欄がありません。一般埋蔵施設を持ち続けると管理料が1年1㎡あたり810円かかるので、この差が毎年出ていくかどうかの分かれ目です。粉状遺骨は粉骨してから納める区分で、遺骨のまま納めるより低く設定されています。

同じ合葬でも、最初から一緒に埋蔵する区分と一定期間は個別に置く区分では2倍以上違います。

都立霊園の募集は年1回で、申込資格や受付期間は霊園と年度で変わります。

合祀すると遺骨は戻せない。契約書のどこを読むか

永代供養でいちばん取り返しがつかないのが、合祀(共同埋蔵)です。都立霊園の合葬埋蔵施設は、遺骨の扱いを2つの区分で公開しています(使用の手引・令和4年11月改訂)。

  • 一定期間後共同埋蔵:使用許可日から20年間は地下の埋蔵室に骨壺の状態で埋蔵し、その後は納骨袋に移して共同埋蔵室に共同埋蔵する。
  • 直接共同埋蔵:骨壺で預かった後、納骨袋に移して共同埋蔵室に共同埋蔵する。

そのうえで、埋蔵後の遺骨の引取りは原則できず、共同埋蔵された後の引取りはできないと明記されています。納骨の当日には、共同埋蔵することを承諾する書面に記名押印します。民間の施設でも構造は同じで、期間が13回忌、33回忌、50回忌などの形で書かれていることがあります。

相談者相談者
あとで気が変わるかもしれません。どこを見ればいいですか。
実家じまいナビ編集部実家じまいナビ編集部
契約書で確認するのは3点です。個別に安置される期間、その期間が満了したときにどうなるか、期間中に取り出せるかどうか。書かれていない書面なら、書面で答えをもらってください。

分骨して一部を手元に残す選択肢は、共同埋蔵の前にしか使えません。都立霊園の合葬埋蔵施設は火葬した遺骨でないと埋蔵できず、土葬した遺骨を改葬する場合は火葬が必要です。骨壺にも幅と奥行き25cm以内、高さ28cm以内という制限があり、副葬品は納められません。

改葬許可の申請書に何を書き、何を添えるか

申請書の中身は法令で決まっています。墓地、埋葬等に関する法律施行規則第2条第1項が求めるのは次の7点です。

  1. 死亡者の本籍、住所、氏名及び性別
  2. 死亡年月日
  3. 埋葬又は火葬の場所
  4. 埋葬又は火葬の年月日
  5. 改葬の理由
  6. 改葬の場所
  7. 申請者の住所、氏名、死亡者との続柄及び墓地使用者等との関係

7の墓地使用者等とは、墓地の使用者または焼骨の収蔵を委託した人です。名義が親のままの墓では、ここに申請者との関係を書きます。

添付書類は同条第2項で、墓地または納骨堂の管理者が作成した埋蔵または収蔵の事実を証する書面、申請者が墓地使用者等でない場合の承諾書、市町村長が特に必要と認める書類の3つ。

5の改葬の理由は、後継者がいない、遠方で管理できないといった記載で足ります。手間がかかるのは1と2で、明治や大正に埋葬された遺骨だと本籍や死亡年月日が分からないことがあります。分かる範囲で記載して窓口に相談する扱いの自治体があります。

遺骨が複数ある場合の枚数も自治体で違います。武蔵野市は申請書が遺骨1体につき1枚必要で、長野市は証明書を故人1人につき1通としたうえで焼骨等一覧の添付で1通にまとめられるとしています(いずれも2026年7月31日確認)。

埋蔵証明を出してもらえないと言われたときの扱い

手続きが止まる典型が、今の墓地の管理者が埋蔵証明を書かない場合です。

施行規則第2条第2項第1号は、管理者が作成した証明書面を求めつつ、括弧書きで「これにより難い特別の事情のある場合にあつては、市町村長が必要と認めるこれに準ずる書面」と定めています。全日本墓園協会が公開しているFAQも、昭和30年2月28日衛環第22号の通達を引いて、墓地管理者が納骨の事実の証明を拒んだ場合はこれに代わる立証の書面で取り扱って差し支えないという趣旨を示しています(2026年7月31日確認)。

何を準ずる書面として受け付けるかは市町村長の判断で自治体ごとに違うこと。証明が出ない事情を説明する書面や墳墓の写真を求められる場合があることです。書類を作り込む前に、今の墓地がある市区町村の窓口へ事情を伝え、何を出せば受け付けられるかを聞くほうが早く進みます。

離檀料の金額が妥当か、支払う義務があるかの判断は編集部の領分ではありません。交渉や法的な評価が必要な段階なら弁護士に相談してください。

公営墓地には、現金給付ではない形の支援がある

墓じまいの補助金は全国どこにでもあるものではありません。ただ公営墓地では、返還を促す仕組みが用意されていることがあります(2026年7月31日時点で各自治体と管理者が公開している内容)。

実施主体内容自己負担として残るもの
東京都(施設変更制度)承継者がいない都立霊園の使用者が墓所を返還し、遺骨を都の合葬式墓地へ改葬する。使用料と年間管理料は不要今の墓を更地にする費用
千葉県市川市市川市霊園一般墓地の原状回復費用を助成(芝生墓地75,000円から、普通墓地は区画に応じて最大440,000円)。返還を条件に合葬式墓地の特例許可(1体71,000円、2体142,000円)助成の限度額を超えた分
群馬県太田市八王子山公園墓地の返還時、墓石撤去に係る支払額の総額または200,000円のいずれか低い額を助成祭祀に関わる費用は対象外

市川市は納付済みの一般墓地使用料の一部を返還する制度も設けています。使用許可から3年以内に未使用のまま返還した場合は2分の1、それ以外は4分の1です。太田市の助成は、返還届の提出と墓石撤去の完了、管理料の滞納がないことが条件です。

年度によって実施の有無や受入霊園、受付期間が異なります。寺院墓地や民営霊園は基本的に対象外なので、公営墓地なら先に管理事務所へ確認してください。

決めずに置いた場合に、実際に起きること

改葬は増え続けています。厚生労働省の衛生行政報告例によると、2024年度(令和6年度)の全国の改葬数は176,105件で、前年度の166,886件から1万件近く増えました。同じ表には、無縁墳墓等の改葬が3,006件と別掲されています。

この3,006件が、決めないまま時間が過ぎた先にある処理です。縁故者がいない墳墓の改葬について、施行規則第3条は、墓地使用者や縁故者に1年以内に申し出るよう官報に掲載し、あわせて墳墓の見やすい場所に立札を1年間掲示して公告し、その期間に申出がなかったことを記載した書面を添えるよう求めています。手続きは1年がかりで、判断する主体は遺族ではなくなります。

早いか遅いかで変わるのは、選べる形式の数です。

\ 費用を並べてから決める /

墓石の撤去費用と、新しい供養先の費用を地域の石材店から一括で比較できます。申し込みは無料で、契約前に金額だけ確認できます。

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よくある質問

古い墓で、土葬の遺骨が出てきたらどうなりますか

受け入れ先が火葬した遺骨しか受け付けない場合、火葬が必要になります。八王子市は、土葬骨で改葬先が市内の場合は一度火葬が必要で、発行された改葬許可証で火葬できると案内しています(2026年7月31日確認)。

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実家じまいナビ編集部

実家じまいナビ編集部 |沖縄に売れない土地を持つ当事者が運営

実家じまいナビ編集部です。運営者自身が沖縄に売れない土地を相続し、出口が見つからないまま維持している当事者です。役所と業者を回って分かった順番、実際にかかる費用、先に知っておけば防げたことを記録しています。法令の解釈が必要な部分は断定せず、調べ方と相談先を示す方針です。

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